海外資産が相続資産になったとき⁉日本の常識では通用しない、その実例をご紹介渋谷で不動産売却|株式会社Assetters
ただでさえ取り扱いが難しい相続問題ですが、相続資産の中に海外の不動産資産が含まれていたとき、みなさんはどうしますか?日本国内における海外資産の相続税対応は税理士に委託するほかありませんが、当該国における資産の権利や相続税は各国によって法制度が異なります。ここでは当社がお手伝いしたフィリピン国内の不動産における相続の実例をご紹介します。
フィリピンでの相続の手続き
相続人の確認
今回のケースでは配偶者のみでした。子供などの相続人が複数いる場合はより手続きが複雑になることが見込まれます。
配偶者の証明および死亡の証明
被相続人の配偶者であることおよび被相続人が死亡していることを証明する必要性があります。日本国内の公的な証明書でもフィリピンでは当然、非公式な文書です。日本国内の死亡証明書を英訳し、それをフィリピン法令で適応できる公文書化します。特に配偶者である事実というのは証明が難しく、理由としては日本にはMarrige certificate(婚姻証明)に該当する公的な証明書がないためです。他方、フィリピンでは宗教上の観念および法律上、他国以上に婚姻ということに厳格な意味を持ちます(法律上の離婚が成立しないこともその一例)。現地の法令に従った書類を準備する作業は第一関門と言えます。
今回のケースでは相続人が結婚した際の婚姻届けが自治体から取得できたので、そちらを用いてMarrige certificateに該当する書類を作成しました。
書類の公的化 Apostille(アポスティーユ)
死亡証明や婚姻届けを英訳するだけでは、当該国、今回の場合はフィリピンでは受理されません。それは極端に言えば日本語で発行された公的な証明書を正式に英訳されているかどうか、フィリピン側では判断できない(しない)ためです。
このような証明書類などの普遍的な証明手段として公証役場と外務省から公証認証というものを受けることができます。特に日本やフィリピンのようにハーグ条約に加盟している国同士の場合、ハーグ条約に基づき各国の公証役場と外務省でApostilleを取得することができ、このApostilleを得ることが、私文書を国際的に公的化する手段になっています。
今回のケースでは英訳した死亡証明や婚姻届けにApostilleを得ることでフィリピン国で通用するフォーマットになりました。
その他、必要書類の準備
その他にもフィリピン国内で提出が必要な書類がいくつかあります。宣誓供述書などが必要となりますが、これはフィリピン国内の提携先の弁護士に必要なデューデリジェンスを依頼するとともに、書面を作成してもらいクリアしました。
準備完了、国税局へ
ここまでで必要な書類が全て揃ったので、国税局へ相続の申告に向かいます。
提出する書類に不備、不足が無ければ受理した担当の税務官から相続税(estate tax)の計算書式が渡されます。
気になる相続税は?
相続税額が気になるところですが、被相続人は非居住の外国人という分類になるため、物件の評価額(Zonal Value 路線価)から一律50万ペソの控除が得られ、その6%が相続税となりました。
納付
税額が判明すると次は納付です。納付は現金または銀行から直接発行されるマネージャーチェックのみが有効となります。
支払が完了すると、それが受理され登記移転許可証にあたるCertificate Authorizing Regisry(CAR)が発行されます。こちらが発行されるまでがかなり時間がかかります。
通常、3週間程度と言われますが、実際は祝日が入ったり担当の税務官の欠勤などが理由でかなり遅れることがあります。今回のケースではまさに担当官の欠勤(病欠だったそうですが…)が重なり発効までに3か月ほどの時間を要しました。
こういった理由で手続きが滞ってしまうのは新興国ではよくあるリスクの一つです。
地方役場を回り登記局へ
CARが発行されれば後は、地方役場を回り譲渡税などを支払った後、日本の法務局に近い登記局へ向かいます。登記費用などを支払い、被相続人名義の権利書(CCT)を返還するとその数週間後に相続人名義で権利書が発行されるという流れになります。
ここでもタイムラインは流動的ですので目安程度に考えておくとよいでしょう。またCCTを返還する前にPublicationを3週間行うことが求められるようです。これは日本で言うところの「官報に報じる」といことになります。
まとめ
まとめ
ここまでの工程でようやくフィリピン国内で相続の申告が完了し、登記移転ができたことになります。今回は初めてのケースということもありおよそ1年ほどの時間を掛けながら手探りでしたが何とか進めることができました。
海外資産をお持ちの場合、日本国内の処理だけで完結することはほぼありません。その国々で専門家の力を借りながら解決していくしかないでしょう。
また海外の資産はほとんどの場合、投資用や別荘で保有していることがほとんどだと思います。無難な対応としては相続が発生する前に、ある程度見切りをつけて売却をしっかりと推進し、現金化することかと感じます。
フィリピンのみに関わらず海外資産でお困りのことがありましたら是非一度、ご相談ください^^
株式会社Assetters
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